「任意整理」に関するお役立ち情報
任意整理が結婚に与える影響の有無
1 任意整理は法的には結婚に影響を及ぼしません
法律的には、任意整理をした事実が離婚の事由になることや、将来の結婚を制限される事由になるということはありません。
しかし、現実的には、借金等の返済が困難になり、任意整理をしたということは、将来の結婚や夫婦の生活に影響することがあります。
任意整理をしたことを、結婚を前提としている交際相手や配偶者に秘密にしていた場合、判明した際に信頼を失うことがあり得ます。
以下、任意整理をした事実が婚姻生活に与える影響について、具体的に説明します。
2 生活費に充てられるお金が減ってしまう
任意整理をした場合、一般的には残債務(の元金と経過利息、および遅延損害金の合計額)を36~60か月程度で分割して返済することになります。
任意整理をした後も数年間は返済が続きますので、毎月返済分の支出が発生します。
通常であれば返済に充てる金銭は収入の中から捻出しますので、その分生活費に充てられる金銭は減少します。
任意整理をしたことを交際相手や配偶者に隠していた場合、生活費のやりくり等の場面において想定以上に支出が多いということが判明し、信頼関係が失われることも考えられます。
このような事態に陥らないようにするためには、過去に任意整理をしたこと予め相手に伝え、理解を得ておくことが大切です。
3 借入れやクレジットカードの作成ができない
任意整理をすると、信用情報機関が管理している信用情報に事故情報が登録されます。
事故情報はいくつかの信用情報機関が管理していますが、最も長いと任意整理後に完済をしてから5年間程度が経過するまでは残るとされています。
事故情報が登録されている状態で住宅ローンや自動車ローンの申込みをした場合や、新たなクレジットカードの作成の申込みをした場合、審査が通らないということがあります。
これらのような場面において、はじめて事故情報が登録されていることが判明したという場合には、配偶者に不信感を持たれてしまい、婚姻関係の破綻の要因になる可能性もあります。
ただし、任意整理をせず、完済のめども立たない状況と比較して、どちらがよいかという判断を行うべき場面もあると考えられます。